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小道から出ると、返り血をあびることもなかった女と、ただそれを見ていただけの女がなにくわぬ顔で出てきた。
「いやな男だったねぇ。ああ、気持ち悪い。」
背の高い女が心底嫌そうにつぶやいた。
「菊が思わせぶりな態度とるからでしょ?自業自得だよ。」
菊(キク)、そう呼ばれた背の高い女はニッコリ笑って、
「時間とらせてごめんね那佳ちゃん」
と悪びれもなくそう言った。
那佳(ナカ)と呼ばれた女は、やっと笑顔をみせた。
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