序章‐中学時代‐

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いじめられなくなったからといって、歪んでいるこの性格がなおったわけではなかった。 自分を省みなかったことが中3の二学期に、忌まわしい事件を引き起こすとは…   中3の二学期にあった席替えで、深江さんという女子の隣になった。 深江さんは見た目は普通の女の子だけど、とても面白くて話しやすく、話をちゃんときいてくれる人だった。 異性との関わりが少なかった俺にとって、彼女は新鮮な存在だった。 ひんぱんに話して、だいぶ親しくなれた。 次の席替えで俺は深江さんの前になり、俺の隣は深江さんの友達だった。 深江さんは友達とよく話していた。   席替えしてから1ヶ月くらいたって、歪んだ人間特有の疑い深い心が俺の中でうごめき始めた。 猜疑心は俺をあらぬ方向に駆り立てた。
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