311人が本棚に入れています
本棚に追加
「(トシ君)って誰だよ。」
俺がそう聞くと、サトミは驚いたような表情をした。
しかし、サトミは黙ったままだ…。
「明日そいつと会うんだろ?」
俺がそう聞くとサトミは
携帯を置いた場所に目線を移しそこに自分の携帯がないのに
気付くと携帯を握っている俺の左手に目をやった。
一瞬、気まずそうな顔をしたが何も答えない。
「なんとか言えよ!」
「お前が答えないなら、コイツに直接聞くわ…」
「ダメーっ!」
俺がそう言った瞬間、サトミは大声を出して俺から携帯を取ろうとした。
「お前が説明しないならコイツに聞くしかねぇだろうが!!」
俺がサトミの手を振りほどいて
携帯を引き寄せようとすると
サトミはそれを両手でガッチリつかんで
「この人は関係ないから…」
「この人は関係ないから…」
と俺の腕を押さえ付けながら
「まだ、会った事もないし
何もないから…」
と言った。
俺には説明も無しに、その男の事になると急に必死になる
そのサトミの姿に
俺はひどく傷付いた。
俺の問いに必死になって弁解をしようもなら、それはそれで
頭にくるのだろうが
俺に言い訳をするどころか
その男の心配だけをしている
サトミには心底呆れた。
最初のコメントを投稿しよう!