【浮気】

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「(トシ君)って誰だよ。」 俺がそう聞くと、サトミは驚いたような表情をした。 しかし、サトミは黙ったままだ…。 「明日そいつと会うんだろ?」 俺がそう聞くとサトミは 携帯を置いた場所に目線を移しそこに自分の携帯がないのに 気付くと携帯を握っている俺の左手に目をやった。 一瞬、気まずそうな顔をしたが何も答えない。 「なんとか言えよ!」 「お前が答えないなら、コイツに直接聞くわ…」 「ダメーっ!」 俺がそう言った瞬間、サトミは大声を出して俺から携帯を取ろうとした。 「お前が説明しないならコイツに聞くしかねぇだろうが!!」 俺がサトミの手を振りほどいて 携帯を引き寄せようとすると サトミはそれを両手でガッチリつかんで 「この人は関係ないから…」 「この人は関係ないから…」 と俺の腕を押さえ付けながら 「まだ、会った事もないし 何もないから…」 と言った。 俺には説明も無しに、その男の事になると急に必死になる そのサトミの姿に 俺はひどく傷付いた。 俺の問いに必死になって弁解をしようもなら、それはそれで 頭にくるのだろうが 俺に言い訳をするどころか その男の心配だけをしている サトミには心底呆れた。
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