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俺も、お母さんもサトミが家に戻るのを苛立ちながら待った。
お母さんが
「サトミが、あんまりふざけた態度だったら2、3発ぶん殴ってやってもいいんだよ。」
と言っていたが
サトミを殴ったところで俺の気は晴れないし
一旦手を出してしまったら
サトミが懲りる前に殺してしまいかねない程に俺は殺気立っていた。
しばらくして、サトミが友達を連れて家に戻って来た。
その友達まで、家に上がろうとしたので俺は
「悪いんだけど、関係ないから車に戻って」
とサトミの友達は家にあげなかった。
以前は、賑やかに大勢で囲んだその四角いテーブルだが
今では、こんな形で3人が向き合って座る事になってしまうとは…。
サトミは随分と開き直ったような顔で話しを始めた。
「今だから、言うけど
私、借金があるんだよね。」
「だから、今の稼ぎじゃやっていけないし…」
何の話しをするかと思えば
サトミは今更そんな話しを始めた。
（だったら、今まで俺の稼ぎの中から勝手にその支払い分の金が消えてた訳か？）
稼ぎのいい時でも、切り詰めた生活だったのはこのせいだったのか。
それにしても、俺がサトミと
付き合う時。
俺がサトミのお母さんに
「借金とかはないの？」
と聞かれているやり取りを横で聞いていて
よく平気で居られたものだ。
そう考えると、借金を隠して
自分では働きもせずに
（子供が欲しい）
なんてよく言えたものだ。
俺達の結婚がこの事実を知って根底から覆された。
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