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その後も俺の神経を逆なでするようなサトミの話しは続いた。
「海でナンパされて番号を交換したりもしたしたし…」
サトミの馬鹿げた話しには
お母さんも口を挟めないでいるようだった。
俺は
「じゃ、さっきの男はどこで
知り合ったんだ?」
とサトミに聞いた。
サトミは
「出会い系サイト」
と答えた。
沈黙を続けていたお母さんの
ため息が聞こえた。
サトミは
「その人には迷惑をかけてしまうから、もう連絡を取らないとさっき話しをしてきたし…」
などと言っていたが
もうこれ以上この女の話しを
聞く必要はない。
俺はサトミに
「お前には子供を任せられないから、子供は俺が 引き取る」
と言った。
するとサトミは
「カズキは私が引き取る」
と答えた。
俺は子供達を区別してしまったサトミの言葉に失望した。
本当はカズキも、サトミに渡すのは心配だったが、カズキ自身サトミについて行った方が幸せだと思い反対は出来なかった。
サトミは最後に
「私がカズキを連れてこの家を出て行くから。」
と言った。
まるで、あらかじめ話しの道筋を決めていたかのように淡々とそれらの言葉を吐いた。
俺は
「勝手にしろ」
と言った。
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