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後日、所長に事情を全て話した。
所長は
「それは、君の稼ぎが悪いのだから仕方がないな」
と言った。
「会社を辞める時は、やはり
違約金が発生してしまうし…」
「今、会社を辞められる状態ではないだろう?」
「何で子供を引き取るなんて言ったんだ?」
「今は仕事を続ける事を1番に考えなければならないだろう…」
「原因は君にあるのだから
奥さんに頭を下げて戻って来てもらえ」
と所長の言葉は思いの外厳しかった。
ただ、所長のその言葉に間違っている部分はない。
しかし、なぜ俺がサトミに頭を下げなければならないのかは
正直、納得がいかなかった。
俺は所長に
「もう少し考えてみます」
と答えて会社を出た。
俺は親父にも事情を話した。
親父はとても信じられない様子でサトミのお母さんに事情を聞きに行った。
その時、親父が言われたのは
(サトミは、コウジ君が怖くて言いたい事が言えなかったみたいで、それでも我慢していたのだけれど、もう我慢も出来ないらしいから)
(それにカズキもコウジ君が怖いと言っているし)
と謝罪よりもむしろ、俺の非を責める様な話しだったと俺に言った。
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