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仕事も辞めれそうになく、子供を満足に育てられるのか不安がある今は
その事を1番に解決する必要があった。
何が正しいかなんて、俺の勝手な理想でしかないし
これまで結婚にしろ、仕事にしろ俺の理想通りにはいかなかった。
仕事だけで言えば所長の言う通り【結果が全て】だ。
【頑張ったつもり】では飯も食えない。
「お前は頑張った」
と言わせなければならないのは自分自身や友達ではなく
所長やサトミなのだ。
俺は所長の言う通りサトミに頭を下げて戻って来てもらう事にした。
俺はサトミを呼び出して
「俺が悪かった。」
「まだ、サトミの事が好きだから戻って来てくれ。」
とサトミに頭を下げた。
いざその場になると、無性に
悔しさが込み上げてきた。
(理想)は捨てた筈なのに…
悔し過ぎて、涙が溢れてきた。
サトミは
「もう、無理だよ。」
と答えた。
俺はサトミに
「そうか…わかった。」
「子供の事だけど…
仕事も辞めれそうもないし面倒をみてくれる人もいないから
お前が連れて行ってあげられないか? 」
と聞いた。
サトミは
「今更、連れて行けないよ。」
「自分で引き取るって言ったんだから…」
と言った。
俺は最後に一つ確かめたい事があったのでサトミに聞いた。
「お前は最初からこの子も連れて行く気があったのか?」
俺の問いにサトミは
「正直、カズキだけでも大変だから…」
と答えた。
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