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親父は、母親に生活費を渡すだけで残りの給料は自分で使っていたらしい。
だから、親父が借金を作ろうが母親は気が付かなかったのだろう。
母親が、親父の借金に気付いたのは…親父が入院した時だった。
親父は、胃を悪くしていたため吐血している姿をよく見た。
その日も親父は、俺と買い物に出掛けて帰る途中…具合が悪くなり、車を土手に停めて吐血していた。
そして…薬局に寄って薬を買っている最中に倒れて、そのまま救急車で病院へ運ばれて行った。
俺は、薬局の向かいに停めてある親父の車の中で親父が帰ってくるのを一人で待っていた。
親父の帰りが遅いので俺は凄く心配だったが、薬局から俺が待つ車までは少し距離があった為、店の中の様子はわからない…。
そこへ救急車なんて来たもんだから不安でしょうがなかった。
俺は泣きながらずっと待っていたのだが、いつになっても親父は帰って来なかった…。
迎えが来たのは、親父が意識を戻して誰かに俺の居場所を話してからだ。
迎えが来た頃…俺はもう何時間も泣いて泣き疲れて眠っていた。
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