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ダリア「…それじゃあ始めるか」
ダリアは大剣を構えた。昔の侍が使っていた正眼の構えと呼ばれる構えだ。
イリス「いくぞ」
私も大剣を構え、風切り音とともにダリアに斬りかかった。
ダリアは私の剣撃を見た目とは裏腹に華麗に捌いていく。
ダリア「どうした?瞬剣は使わないのか?」
ダリアが私を挑発する。
イリス「使ってもいいが死んでも知らんぞ」
私も負けじとに挑発し返す。
ダリア「ほう…たいした自信だ…だが俺なら心配はいらん…全力で打ってこい」
イリス「そうか」
私は少し安心し、ダリアに向かって走り出した。
そして、ダリアに攻撃する瞬間に妖力を片腕だけ完全解放し『瞬剣』をダリアに放った。
ギィンッッ!!!
大剣がぶつかり合い、火花が飛び散る。
私の瞬剣でダリアの体は10メートルほど吹き飛び、後方にあった岩壁に叩きつけられた。
ダリア「ガッ…!」
私は正直驚いた。今まで瞬剣を止めた奴など一度もなかったからだ。
アナスタシア「…どうやらダリアは気を失ったようですね…まったくもう…」
アナスタシアがやや溜め息を吐いた。
イリス「悪いな…瞬剣は力加減が出来ない」
アナスタシア「なるほど…瞬間的に妖気を全開にしてすぐに抑える…そうする事によって覚醒する心配なく莫大な威力を持った剣撃を放てる…」
やはり、アナスタシアは見た目どおり聡明なようだ。
アナスタシア「…ただ弱点は妖力を使い過ぎるのと、身体に著しい負担を掛ける事かしら…?」
イリス「…その通りだ…体にかかる負荷が半端じゃない…せいぜい私が使えるのは2回くらいだ」
アナスタシア「…そう、ダリアの技と似ているわね…」
イリス「…瞬剣がか?」
アナスタシア「そうよ…戦闘にになればわかるわ…なぜ彼女が『妖腕』と呼ばれているのかを」
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