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ダリア「…う…」
ダリアが意識を取り戻した。
イリス「…すまない…大丈夫か?」
私は少しやりすぎたような気がしたので、ダリアに手を差し出した。
ダリア「…ああ、なんとかな…『瞬剣』か…覚醒者討伐の際に役立ててもらうぞ」
ダリアは私の手を取り、立ち上がった。
岩壁に叩きつけられた割りには殆んど無傷だった。
頑丈な奴だ。
イリス「任せておけ…この技は対覚醒者用だからな」
アナスタシア「…どうやら全員揃ったようですね」
アナスタシアが見ている方角を見ると戦士が二人こちらに歩いてくるのが見えた。
ローレン「遅くなってすまない…私はナンバー12のローレン、彼女はナンバー16のメル」
メル「よ、よろしくお願いします!」
私たちは簡単な自己紹介を済ませた。
私たちの時代は、戦士が二人一組で行動するのは特別珍しい事ではなかった。
約20年前に起こった深淵の者・イースレイ討伐の際、通常群れるはずのない覚醒者が群れを成すという異例の事態が起こった。そのときに討伐に参加した24人の戦士は全滅…
それから組織は覚醒者を妖魔と同列と見なさずに、情報をつかんだら積極的に狩っていくという方針に決めたらしい。
それから、戦士は覚醒者による被害を少なくする為に二人一組で行動する事になっている。
ただそれでは地区に回す戦士の数が少なくなるから、組織は『裏』ナンバーという制度を造り出した。
私達の時代のナンバーには『表』と『裏』が存在する。
表は私やダリアのような攻撃型と呼ばれる、攻撃技能が高い戦士が多い。
裏はアナスタシアのような防御型と呼ばれる、身体の再生や妖気感知に優れた戦士が多い。
なので現在の組織は表裏合わせて昔の2倍、つまり94人いる事になる。
ただ、私のように単独を好み一人で戦う者も少なくはなかった。
ダリア「…よし、全員揃ったな…準備が出来次第、覚醒者狩りにいくぞ」
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