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小学校の帰り道
川沿いの土手道の下のほうにある川に面した草むら
幼い私は声をあげて泣いている
お父さんがくれた、大事なうさぎのキーホルダーを川に落としてしまったからだ
そんなに大きな川じゃないし、下流だから流れは早くないし浅いんだが…私は泳げない
川の真ん中あたりにある岩とも言えない大きさの石に運よく引っかかっているが、水が怖くて入れない
早くしないと流されてしまうかもしれない
でもおじいちゃんもここにはいない
なにもできない自分が悔しいのと、うさぎを無くす悲しさでただひたすら泣いていた
「どうした?」
知らない男のコが声をかけてきた
顔は…涙でよく覚えてない
「っっ…うさっっ…ちゃん……っっ……落としたっっ……」
私は泣きじゃくりながら、知らない男のコに川を指さして言った
「あ、アレ?とれそうじゃん」
男のコはそう言うと、ランドセルを放り投げて靴のまま川に飛びこんだ
私はビックリして泣きやんだ
ザブザブと川の中を歩いて行き、太ももまでつかったあたりでうさぎを拾いあげた
「うさぎレスキュー隊、任務完了です!」
そう言いながら男のコは川からあがって、私にビチャビチャに濡れたうさぎを手渡した
私は、今度は嬉しさでワンワン泣いて、ビチャビチャのうさぎを胸に抱きしめた
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