第一章 ベクルックス・ルウからの手紙

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     表情と同じように明るい茶色の髪を肩の辺りまで伸ばした、エルナトより少しだけ大人っぽい雰囲気の少年が立っている。瞳の色は青で、それなりの美形だ。   「シェアト、お前は相変わらず竜に乗るのが下手だな」 「うるせぇな」    エルナトと同じ学年、同じクラスのシェアトは、第4学年への進級試験に受からず、2度目の第3学年生をしている。年齢も当然、エルナトより1つ歳上だが、互いにあまり年齢差を気にしたことが無いのは、エルナトが入学した当初から何となく気があって、仲良くしているからだろうか。  人付き合いが下手で、あまり他人と一緒にいることが無いエルナトにしてみれば、数少ない友と呼べる存在だ。    
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