第一章 ベクルックス・ルウからの手紙

8/25
前へ
/31ページ
次へ
     チキンカツサンドを掴み、口に運びながらちらりとシェアトを見上げると、トレイを片手に持ち直し、エルナトが示した席から立った2人の女子に手を振っていた。   「知り合いか?」 「今日の実技の授業で一緒だったろ?エルナトって本当に他の人の顔覚えないっていうか…見てないよな」    手にしたサンドイッチを口へ運んで一口かじり、目線を移動させれば食堂から去ろうと歩く少女へ。  薄い金髪を背に流し、長く伸びた耳が後ろからでも伺える。一緒に並んで歩いている黒髪の少女には見覚え無かったが、シェアトが手を振っていた方の金髪の少女にはうっすらと見覚えがあった。    
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加