第一章 ベクルックス・ルウからの手紙

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     そもそも、いくらこの学校が生徒の家柄も種族も問わないと言っても、エルフ族の生徒は少ない。   「他人に興味が無いだけだ、お前と違って」    サンドイッチに挟まれたカツから溢れる肉汁と、かじったサンドイッチを咀嚼してから飲み下し目線を戻す。  シェアトは隣にトレイを下ろして椅子に座ったところだった。  そのトレイの上を覗けば、皿にはカレーライス、くるみのパン、ポテトサラダ、ポトフ、カルボナーラ、チキンの照り焼き…と、取り合わせのおかしな料理の数々が大盛の山を築いている。  …見ているこっちの気分が悪くなりそうだ。それがエルナトの、シェアトの昼食に対する率直な感想だった。   「何、その表情~。エルナトくん、ヤキモチ?」   
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