第一章 ベクルックス・ルウからの手紙

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     柔らかそうなパンを1つ引っ掴み、ヘラッとした表情を向けてくるシェアトを完全に無視してチキンカツサンドを全て食べ切ってしまう。  トレイの上にはサンドイッチが乗っていた小さなバスケットと、オレンジジュースの入ったコップだけが残っていた。   「エル、見っけ!」    オレンジジュースのコップに手を伸ばし、そのストローに口を付けた瞬間、先程シェアトがエルナトを見つけて声をかけてきた時と同じように、背後から明るい声が掛かった。  今度は少女の声というのと、力任せに背中を叩いてこないというのが違う箇所か。    
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