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明かり取りの窓から、初春の陽射しが入り、キラキラと輝きを放つ青い鱗に包まれたドラゴンが丸くなっている。
「アイオライト」
プレートに書かれていた名を呼ぶ。
小さく、規則的に上下していたドラゴンの体の動きが止まり、続いて、体に沿わせていた3対の角の生えた頭をもたげる。
美しい鱗の色に似た、深い青色の瞳が見下ろしてきた。
「眠っているところをすまないな、実技の時間なんだ」
苦味を帯びた笑みと共に告げると、アイオライトは数度瞬きをしてから『クゥゥゥ…』と、まるで甘えるような鳴き声がその口から漏れた。
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