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猫姫は、達也を見つめたまま、声が出ない
(ここの景色は、変わらないね~)
と懐かしむように、達也は、呟く
(たっ、達ちゃん)猫姫の瞳は、薄く潤んでいた
達也は、猫姫に向かって
(猫、久しぶり)
(えっ、ええ)
(あれ~、恵子のヤツ遅いな~)
(達ちゃん、恵子に呼ばれたの?)
(そうだよ)
二人は、直ぐにわかった、恵子の企みだと、それを、わかってか、黙りこんでしまった
やがて、夕日が水平線に、美しく優しい光を放っている
(達ちゃん、何年振りになるの?)
(二年振りかな?本当なら、戻って来てないさ)
猫姫は、聞きたい事がある、、、何故か、とりとめのない事を聞いてしまう、
好きだから、会いたかったのに、、涙が流れてくる
(どうしたの?何か、あったの?)
(う、うん、何でもないよ)苦笑い
(達也は、昔から誰にでも優しかったね)
(そうかな?俺は、優しくないよ、俺が優しいなら、他の人間が冷たいヤツばかりさ、俺は普通に生きてきた)
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