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交差する秋
新学期と言うには、秋の風が色濃く吹いていた、9月の半ば、
最葉外国大学の銀杏並木を、きなとゆきのが、歩いていた
(お姉ちゃんは、もう進路は、決まっているの?)とゆきのに聞かれた、きなは、
(ウ~ン?今、迷っているの?)
(迷っている?)
(夢は、あるけど、現実は?とりあえず外資系企業に就職してからかな?)
(夢?何?)
(それは秘密)
(教えてよ~)
(言えない、何か夢が壊れそうで、)
(ふーん、そっか、私は、まだ、わからない)
(ゆきのは、まだまだ、だから、ゆっくり考えたら、私は、来年で終わりだから)
ゆきのは、最近、不思議に思っていた
(お姉ちゃん、みんな、何のために大学来てるのかな?みんな遊んでいるようにしか見えないから?)
きなは、笑って
(そんな事、色んな人が居るんだから、)
二人の背後から
(ゆきの~!)と叫ぶ男の声が
ゆきのは、舌を出して
(アチャ~、嫌な奴が)
きなは、振り向いて
(ゆきの、誰よ?あの軽そうな男は?)
(私にも、わからないの、何か、やたら話しかけて来たから、相手してたら、馴れ馴れしくて)
(じゃ~逃げるか?)
(そうだね)と二人は、走り出した
(お~い、何で逃げるんだ)と悲鳴のような叫び声が
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