第1章:優しさの先にあるモノ

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「厳しいわね」 「あれでもまだ甘い。 本来なら軍の懲罰房で1ヶ月反省してもらった上で、さっきの罰を科す。 だが、ここには懲罰房はないし、入れていたら存在を忘れてしまいそうだったんでな」 (絶対最後が本音だ・・・!) 皆の見解が一致する。 しかし、ユリアはどうでも良さげにすたすたと歩き、学院長室に入る。 さっさと座ると、最初の作業を続ける。 「・・・ところで、お前達何もすることがないなら生徒達を頼む。 私はやることがある」 頼まれて、微妙な笑みを浮かべる。 出来るなら、何か手伝いをとは思っていたが、なだめ役は少々嫌だった。 ただでさえ、生徒達は貴族出身者ばかりで誇り高いのだ。 まぁ、ぶっちゃけて言えば、高飛車で傲慢なだけだが。 ハッキリ言って、関わりたくない。 自分達が貴族の頂点にある家の出身であろうとも、嫌なものは嫌だった。 「ガンバレ」 すでに決定事項らしい。 激励されて、5人は行かざるをえなくなり、肩を落とす。 それを横目で見送り、ユリアは折りあげた文を持ってバルコニーに出ると、それらを空に向かってばらまいた。 一瞬、降下したがすぐに浮上り、それぞれの方角に飛んで行く。 それらを悲しげに見つめ、ユリアは小さく息をつく。 コンコン。 控え目なノック音に、ユリアは扉を振り返って入室を促す。 入って来たのは、ブレイロア卿だった。 .
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