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「厳しいわね」
「あれでもまだ甘い。
本来なら軍の懲罰房で1ヶ月反省してもらった上で、さっきの罰を科す。
だが、ここには懲罰房はないし、入れていたら存在を忘れてしまいそうだったんでな」
(絶対最後が本音だ・・・!)
皆の見解が一致する。
しかし、ユリアはどうでも良さげにすたすたと歩き、学院長室に入る。
さっさと座ると、最初の作業を続ける。
「・・・ところで、お前達何もすることがないなら生徒達を頼む。
私はやることがある」
頼まれて、微妙な笑みを浮かべる。
出来るなら、何か手伝いをとは思っていたが、なだめ役は少々嫌だった。
ただでさえ、生徒達は貴族出身者ばかりで誇り高いのだ。
まぁ、ぶっちゃけて言えば、高飛車で傲慢なだけだが。
ハッキリ言って、関わりたくない。
自分達が貴族の頂点にある家の出身であろうとも、嫌なものは嫌だった。
「ガンバレ」
すでに決定事項らしい。
激励されて、5人は行かざるをえなくなり、肩を落とす。
それを横目で見送り、ユリアは折りあげた文を持ってバルコニーに出ると、それらを空に向かってばらまいた。
一瞬、降下したがすぐに浮上り、それぞれの方角に飛んで行く。
それらを悲しげに見つめ、ユリアは小さく息をつく。
コンコン。
控え目なノック音に、ユリアは扉を振り返って入室を促す。
入って来たのは、ブレイロア卿だった。
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