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「貴族の中では、統5家と閣下が上等な部類です。
統5家は政治に介入することを拒みます。
それは、権力の大きさを気にしてのことです。
ただでさえ統5家という貴族のトップである彼らが大臣などになったら、王家に迫る権力を持ってしまうでしょう」
語り続けるアレクの言葉に、マリアレナは自分の無知を恥じる。
それを察し、アレクは優しく微笑む。
「統5家は貴方を王として信頼し、認めているんです。
だからこそ、貴方は努力しなくてはならない。
その信頼に応える為に。
貴方は慈悲や慈愛が必要だと言います。
確かに必要でしょう。
ですが、それだけで、優しさだけで、国は動かせません。
非情さを持たなくては。
だからと言って、バカ貴族みたいにはならないでくださいよ?
貴方が努力すべきことは、冷酷さを身に着けることです。
それを果たせた時、貴方は、優しさの先に見つけることが出来ます」
少しばかり笑いを含み、よく分からない言葉を綴るアレクに不思議そうな視線を向ける。
「・・・・・・何を?」
問うマリアレナを愛しそうに見つめ、アレクは唇に人差し指つけて言った。
「王として最も必要な資格。
そして、貴方が生まれながらに有しているモノですよ。
マリアレナ・・・・」
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