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「・・・それが、貴方方の決定ですか」
「えぇ、そうです。
援軍はどうかと・・・」
初老の男は、他の男達を代表して話し合いの結論を述べる。
恭しく頭を下げる男を上座に座る少女が見下ろし、肘掛けをきつく握り締める。
「あそこには、非戦闘員である多数の生徒がいます。
それを見捨てると・・・?」
「見捨てるなどと・・・。
まさかそのような事は致しません。
ですが、あちらには大公爵閣下がいらっしゃるとのこと。
ならば、不用意に軍を送っては、足手纏いになりかねないと思いますが」
何も分かっていないと言いたげな口調に、少女は歯がみして怒りを抑える。
(取り乱してはダメッ。
わたくしは、負けるわけにはいかないのよっ。
こんなに弱いわたくしを、友と呼んでくれる、孤独に戦い続ける友の為に・・・!)
言い聞かせるように何度も繰り返し、平常心を何とか保つ。
「援軍を望んでいるのは、その大公爵本人です。
もう1度再考を」
少女の言葉に、男は嘲笑うように口の端を吊り上げる。
「・・・やれやれ、やはり、国家の上に立つのに、16の少女では力不足か・・・」
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