第2章:理想(ユメ)語るモノ

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黙々と仕事をこなす室内に、外からの声が掛かり、ユリアが入室を促す。 入って来たのは、ポールとエオル、そして、活発そうな美少女だ。 首を傾げる5人とは違い、ユリアは少女が誰なのか分かった。 「ようこそ、シュルト家令嬢セレス。 私はエクリトワール大公爵ユリア・リーロア・オルガニスタ・ハルシフォン・フェナル。 以後お見知り置きを」 簡潔に述べるユリアに、当のセレスはポカンとしている。 カインを除く4人は、興味深げにセレスを見ている。 セレスはゆっくりとユリアに歩み寄る。 小柄なユリアと平均的なセレスは、背が同じくらいだ。 上から下までジッと見ているのを、エオルはハラハラしながら見ている。 「貴方が、大公爵閣下?」 「そう言ったはずだが?」 素っ気無い返答。 この問い掛けには、ユリア飽き飽きしていた。 誰も彼もが、イメージと違うと言ってユリアを糾弾する。 ユリア本人から言わせてもらえば、お前達が勝手にそう思い込んでいただけだろうが、となる。 実際、勝手に夢を抱いて、勝手にそうだと決め付けているのだから、ユリアは何も悪くない。 しかし、人はそんなに簡単ではない。 セレスを、そんな人種と一緒だと思ったのだ。 だが、それは間違いだと数瞬後、ユリアは悟る。 .
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