第2章:理想(ユメ)語るモノ

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中々戻って来ないセレスを探しに行くと、途中で伝言を受けてポールと受けてはいないが案件を持って来ようとしていたエオルに遭遇した。 2人を連立って歩いていけば、角でユリアが唐突に立ち止まる。 「・・・何だ?」 カインが何かを察して低く問うと、見て見ろと顎で指される。 相手からは死角になる所で顔を覗かせて、カイン以外が目を見張る。 「龍虎激突・・・?」 意味不明な展開に混乱したのか、レオンが少々的外れなことを言う。 エオルは口をパカッと開けて、固まってしまっている。 「どちらが龍でどちらが虎か気にはなるが、止めた方が良いのか?」 珍しくレオンのボケにのりつつ、額を指ではじいたカインが、ユリアを見下ろす。 我に返ったエオルが止めに入ろうとしたがその顔面に、ユリアの裏拳がヒットした。 声もなくうずくまるエオルに同情しつつ、ポールは視線で問い掛ける。 「様子を見よう。 ・・・大丈夫だ、エオル。 お前の娘は、弱くない」 その言葉にグッと腹に力を込めて飛び出しそうになる体を抑える。 ユリア達の視線の先には、2人の少年と睨み合うセレスがいた。 ユリアは瞳を細めて、誰にも分からないほど小さく微笑んだ。 お手並み拝見 .
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