第1章:優しさの先にあるモノ

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「・・・どうかしたのか、ポール」 「楽しそうで何よりです。 ユリア殿」 嫌味たっぷりに呟くポールは、全体的にげっそりしている。 よっぽど疲れたのだろう。 「生徒達は、もう・・・何と言うか・・・変にプライドが高い・・・」 心からうんざりした様な言葉に、ユリアを含めて皆が何も言えなかった。 「・・・何かあったのか?」 「はぁ、また、めんどくさくて・・・。 常駐警備軍が到着しました。 この代表がまた・・・」 「・・・・・・・・・チッ。 名ばかりのクソジジィが」 もう1つ新発見。 ユリアは大公爵なのに以外と口が悪い。 未だに左腕が使えないユリアは、軍服を着てはいるが、一番上に着るガウンとも呼ばれる階級を表す長衣は肩にかけているだけだ。 歩く度に袖と裾がバラバラに揺れる。 だが、あまり広がったりはしない。 生粋の軍人である為か、姿勢がよくて最低限の動きだ。 する事もなかったカイン達は、部屋を出て行くユリアの後ろについて行く。 「代表って、誰だっけ?」 「確か・・・エルブロワ男爵のはずだ。 先代には、お会いした事はあるな」 「先代は、まともだったな」 面識のあるアイリンは何といって言いのか分からなかった。
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