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玄関前の広場に、微妙に隊列を乱して並んでいる兵達と、将軍と副将軍がいた。
それらの前に悠然と歩み寄る。
カイン達は人垣の前で、それを押さえるように立つ。
生徒達から疑念の視線を、将軍エルブロワ男爵から侮りの視線を向けられる。
が、そんなことは一切気にせず、ユリアは男爵の5歩ほと前で立ち止まる。
「早急な行動に感服する。
漏れる者がないのを嬉しく思う」
厳かな、感情を宿さない口上に、ポールはわずかに青ざめる。
表には出さないが、半端なく怒っている。
「いえいえ、それは王国の将として当然のことです。
閣下はお変わりなく?」
「・・・変わりないように見えるなら医者に行け」
冷ややかに紡がれる声に気付かないのか、男爵はわざとらしく目を見張る。
「おお!
なんと言うことか!
大公爵にして総帥ともあろう方が、そんな手傷を負うとはッ。
大丈夫なのですか?!」
どこまでもわざとらしい言葉に、声だけでなく表情と瞳が凍り付く。
が、やはり男爵は気付かない。
ここで、空気がかすかに寒々しいことにカイン達が気付いて強張る。
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