プロローグ

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「え?」    耳を疑う僕。  だってそうじゃない? いくらイジメにしても、いきなり級友の机を燃やしにかかる生徒なんて聞いたことがない!  ………いやでもウチのクラスならやりかねない。なんせ人の幸福は自分たちの毒と考えている連中だ。朝のこと(馬鹿よ恋せよ阿呆の意地で参照)もあるし、疑惑を捨てきれないのが現状……だよね。   「よぅ行康随分と遅かったじゃねえか」    ムムム、と頭を捻っているとまたしても声をかけられた。  これは……顔を見るまでもない。声と柄の悪い口調から一発で予想がてきる。   「…誠」   「おぅおぅどうした行康。不景気そうな面しやがって」    僕は暗い顔で彼───奥村誠(おくむら まこと)───に顔を向けて、誠曰く不景気そうな面で口を開く。
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