プロローグ

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「…誰のせいだと思ってるのさ」   「なんだ。まだ朝のこと根に持ってんのか?」    ニヤニヤしながら誠が言う。   「当たり前でしょ!? 人を散々ボコって、電柱に縛り付けるとか何さ!?」   「もう始業式は終わったぞ」   「知ってるよ!」    人をおちょくるような態度の誠に怒鳴る僕。それでも誠は反省した様子はない。……まったく、さすが悪友と言ったところか。   「…それより誠」    これ以上こいつに何を言っても無駄な気がしたので、会話ついでに聴いてみる。   「なんだ?」   「うん、あのさ。僕の机知らないかな?」    このクラスの出来事なら、こいつに聞けば大抵分かるはずだ。   「ああそれなら……」    顎に手を当てて一拍。   「盛大に燃やしたぞ」    犯人こいつかァ!!!   「行康くん落ち着いてください! 鉈(なた)をしまってください!」
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