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それは当日政府が派遣した調査団がまとめた調査報告書であった。
四月五日
我々調査団は突如として連絡が途絶えた月影村に政府からの依頼によりやって来た。
午前十時、村の入口である青い鳥居をくぐると何故かそこは夜になっていた。
何人かの調査員はその現象に驚き、すぐに引き返そうとしたが不思議な事に二度と元の世界に戻れる事は無かった…
時計も時間が止まっている、覚悟を決めた私達は村の調査にあたる事にした。
四月六日
時間は解らな為、日数は性格では無いが時間が解らないと気が狂ってしまいそうになる為正確では無いが一日たった事にする。
この日面白い発見があった、村の中心には月影神社と言う物があるのだが、どうやらこの村はその神社を中心に建造物を含めるすべての物が円を画いて存在しているようだ。
四月七日
もう食料が無い、しかも調査員の中に村人のお化けを見たと言う者まで現れた。
私は信じられないが、その人数が多いため用心する事にする。
四月八日
最後の気力を振り絞り村の周りを調べた、どうやら村の周りには全部で十二個の鳥居があるようだ。
この過酷な中、私達は何故まだこのような調査を続けているのだろう…
結局は何かしていないと気が狂っしまうのだ…
そう言えばお化けを私も見た、その数は次第に増してくる…
恐らく私達が死ぬ日も近づいているのだろう…
この日を最後に日記は途絶えていた、ただ最後のページに月文字とだけ書いてあった。
『月文字?いったい何の事かな?』
その時、入って来た襖が開く音が聞こえた。
『はっ!?』
慌てて振り向く巫琴、しかしそこには誰もいない、ただ何がとてつも無く怖い感覚は感じるのだ…
『な、何?』
ジリジリと後退する巫琴、怖い感覚はすぐ近くに迫っていた…
後ろに下がる途中に床にあった本で躓いた(つまずいた)巫琴のその時であった、本棚にまるで刃物で切ったかのような線が入り自分の髪がパラパラと落ちて来た。
『え!?』
見えない何者かによる攻撃、その者は確実に自分の命を狙っている、目で確認出来ない者に襲われる恐怖は想像を絶する物である。
巫琴は襖を開け逃げようとした。
『あ、開かない!』
何故か襖はビクリともしない、巫琴が手間取っている中またすぐ近くに気配を感じた。
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