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季節は夏を迎えていた、今年のは猛暑でかなり熱い日々が続いている、今年地元の大東高校に入学したばかりの神月 巫琴(かんづき みこと)は高校始めの夏休みを過ごしていた。
今時の女子高生とは違い少し大人しい彼女は特別友達と遊ぶなどはせず、家の手伝いするなどしてこの夏休みを送っていた。
かといって暗い訳でも無く、学校では友達も多い方である。
身長155cmセミロングの黒髪、成績は優秀と言う彼女ではあるが、いつも左手にはブレスレット状の白い数珠をしていた。 これは昨年亡くなった実の祖母がしていた物で、大好きだった祖母の形見として受け取った物であった。
今日もいつもと変わらぬ一日を送り、勉強を済ませ眠りに着いた、しかしその日見た夢が今後の彼女の降り注ぐ恐怖の幕開けになって行くのであった…
夢の中で青い鳥居の前に立っている巫琴、そこは周りを木に囲まれ、その鳥居自体には植物の弦が巻いていてかなり古い物だと言う事が解った。
『ここどこだろう?』
その時、自分の後方から三人の聞き慣れた声が聞こえて来た。
『ね、例の場所、ここら返じゃない?』
『そうだな、場所的にもそろそろ古いぼけた青い鳥居が見えて来るはずだぞ。』
『先輩、きっとあれじゃないですか?』
声の主は巫琴の友達と中学時代の後輩であった。
最初に発言したのは友達の斎藤 静枝(さいとう しずえ)、身長160cmポニーテールの少し茶色かかった髪型が特徴で名前とは違い元気な同級生である。
その問いに答えたのは熊谷 進(くまがい すすむ)身長170cm黒の短髪でツンツンに立てているのが特徴のこれも同級生である。
最後は白石 瑠美(しろいし るみ)身長162cmので黒髪、セミロングで少し活発な巫琴の中学時代の後輩である。
『間違い無いな、この色、この古び具合と言いここが噂の心霊スポット月影村、通称神隠し村だ。』
『その昔ある儀式の失敗で一日にして村人全員が消えたあの村よね。』
『ああ、そしてその村の入口は古びた青い鳥居…まさにこれで間違い無いだろう。』
『でも、ここに入ると出てこれなくなっちゃうんですよね?』
『何、もしかして瑠美、あんな恐がってるんじゃ?』
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