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電話を切ると急いで美鈴の待つ公園へ向かった。
昨夜約束したいつもの場所とは巫琴達が通う高校の近くにある公園で、帰りなどよくみんなで雑談をしている場所であった。
公園に行く途中、曲がり角を曲がった時、巫琴 は誰かとぶつかってしまった。
『キャ!』
尻餅を付く巫琴、目の前には少し大きめの髪が白い長髪の男がいた。
『すみません、大丈夫ですか?』
巫琴に手を差し出す男、巫琴はちょっと照れながらその差し出された手を握り立ち上がった。
ズホンの汚れを手で叩きすぐに答える。
『はい、大丈夫です。私が不注意だったんで、あなたも平気ですか?』 『私は大丈夫です、それより怪我は?』
『大丈夫です。』
『良かった、急いでいるみたいですけど気をつけて下さいね。』
『はい、本当にすみませんでした。』
ペコっと頭を下げる。
『いえいえ、それでは。』
男はそう言うと歩いて行ってしまった。
(ちょっとかっこよかったな。)そう思いながら公園へ再び走り出した。
公園につくと木の近くにあるベンチに美鈴は座っていた。
『美鈴ちゃん、ごめんね。』
『ううん。』
身長163cm小さい時からの巫琴の親友である美鈴は黒髪のロングヘヤーでおとなしく面倒見のよい可愛らしい女の子である、実家が神社である事から幼い頃から人には見えない物が見えるなど、かなり霊感が強い少女であった。
『それより巫琴ちゃん、大丈夫?』
『うん。』
走って来たせいか少し息が上がっていた、美鈴の横に腰を降ろし話しが始まった。
『美鈴ちゃん、昨日の事の話しだけど…』
『うん、夢の内容は昨日話した通りだよ。』
『その後何か異変はなかった?』
『私の部屋にみんなが来たの…』
『みんな?』
『うん、進君に静枝ちゃん、後瑠美ちゃん。』
『やっぱり。』
『巫琴ちゃんも見たの?』
『うん、ただ私はみんな一緒じゃ無かったけど…美鈴ちゃんからの昨日の電話に出ようとした時に進君、今日家の洗面台の鏡で静枝ちゃん、後さっき電話を落とした時に瑠美…ただね、はっきりとは見えないし、何か言ってたみたいだったけどそれは解らなかったの…美鈴ちゃんには聞こえた?』
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