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『うん、みんな助けてって…でも来ちゃ駄目って…』
『どう言う意味?』
『解らない…でもそう私に言ってた。』
『そう…でも何で私に見えるのかな?』
『あれはその人の強い思いの固まりだから、見えない人でも気持ちが強ければ見える時があるの。』
『だから私にも…でもそれはみんなが助けてほしいって言う事だよね?』
『うん…ただ来ないでって言う言葉が引っ掛かるの…』
『うん…確かに…でも一応みんなの家に行ってみよ、じゃないと解らないし、もしかしたらみんな無事に普通にいるかもしれないし。』
『うん…そうだね。』
二人共、皆の身に何か起きたと言う事は大体解っていた、しかし、自分自身それを信じたくは無かったのだ、そして各々な家を回り確かめて来た。
結果誰ひとりとして家に帰っている者はいなかった…
巫琴と美鈴は朝待ち合わせをした公園のベンチに腰掛けていた…
しばらく沈黙する二人、先に口を開いたのは美鈴の方であった。
『皆…いなかったね…』
『うん…』
『あのね、巫琴ちゃん、私皆の居場所、心あたりがあるの。』
巫琴はその発言にビックリした顔で美鈴を見た。
『黙ってた訳じゃないの、ただ皆が無事だったらとう期待もあったから言わなかったんだけど…巫琴ちゃん、月影村って知ってる?』
『月影村?』
『うん、別名神隠し村、最近テレビの取材の人達がそこを調査しに行ってまるで神隠しにあったようにいなくなっちゃった事から有名になった心霊スポットなの。』
『…。』
『そこの入口が青い鳥居なんだけど…』
『それって夢で出て来たあの鳥居の事!?』
『多分、私も実際見た事は無いけど間違いと思う。』
『じゃ皆はその村に居るのかな?』
『かもしれない…。』
『じゃそこに行こうよ!』
『でも、誰ひとりとして帰って来た人はいないんだよ、それに来ないでって言う言葉も気になるし…』
『でもこのままじゃ変わらないよ、行ってみれば何か解るかもしれない。』
『うん、でも帰って来れなくなるかもしれないんだよ…それに本当にそこにいるかどうかも解らないし…』
『でも今はそこを調べるしかないんだし、やっぱ行ってみようよ。』
『解った。』
多少の不安はまだ残ってるようだが美鈴は巫琴の強い意思み負け、まだ可能性でしかない月影村に向かう決心をした。
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