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次の日、朝の9時に同じ場所で会う約束をし二人は家に帰って行った。
その日の夜、巫琴は食事を済ませ入浴も済み、自分の部屋で眠ろうと一階から二階の部屋に向かっていた。
ドアの前につきいつものように部屋に入る、電気がついていないため中の様子はよく見えない状態であった。
いつもそうである、暗い中、近付くの電気のスィッチを入れる。
蛍光灯の光りが巫琴の部屋を照らし明るくなった…
『助けて…でも来ちゃ駄目…』
そこで巫琴が見たのは床から壁、天井にまでビッシリと隙間無く書かれていた赤くまるで血で書かれたような文字であった。
『み、皆なの、進君、静枝ちゃん、瑠美!ねえ、私は美鈴ちゃをみたいによく見えないし解らないの、でも今は文字は見える…だからいるなら文字で教えて、助けてに行くから…私、皆の所に行くから!』
昨夜から怪奇現象が続いたせいで巫琴は少しずつ慣れて来たようだった、今までなら叫んで逃げ出したりもしたかもしれないが、今はそのような事は無い。
何より嫌な感じがしない、恐く不思議な空間ではあるが、自分に悪い影響が無いと何故か解っているようである。
巫琴が皆がいるであろう自分の部屋に文字で知らせてと言うと今まで至る所にあった文字がベットの奥にあるカーテンに集まり出した。
(月・陰・村)集まった文字は一文字一文字、上の三文字を形勢した。
『月影村、やっぱり皆そこに要るんだね。』
巫琴が確信したその時耳そばで声が聞こえた…
『でも来ちゃうダメ、来ると消えちゃうよ…』
聞き覚えのある声だった…そうこの声は昨夜巫女が夢の中で手を掴まれた男の子の声であった、背筋が凍り付く感覚を覚え心拍数が一気に上がった、すぐに振り返るが後ろには誰も居なかった。
再び前を見た時カーテンにあった文字は消え部屋は元に戻っていた。
『また…あの子供の声…。』
謎の子供、そして身の回りに起きた怪奇現象、それら気になる事を考えながらも巫琴は眠りにつくのであった。
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