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今にも海に投げ出されそうになりながらも一樹は必死に柵に掴まっていた。
すると後ろの方で女性の悲鳴が聞こえた。
なんと、アルバイトらしき女が海に落ちてしまった。
女は水中で、船から垂れ下がっている捕獲用の網に掴まっている。
一樹は倒れそうになりながらも女の所へ向かった。
「捕まれ!」
そう言って一樹は手を差し出した。
女は必死に手を伸ばす。
しかし、届かない。
女は徐々に水中に吸い込まれていき見えなくなってしまった。
最悪の結果だった。
一樹は悲しみに浸っている場合じゃ無いと思い立ち上がった。
しかし一樹は見てしまった……
目の前に信じられない程大きな波が迫ってきている。
どうする事も出来ないまま船もろとも波に呑み込まれてしまった。
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