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「あっちぃぃぃぃいい……」
山ちゃんのやるせない声が教室中に響く
山ちゃんがうなだれるように机の上に頭を寝かせる
「うるさいなぁッ、言うなよ、余計暑くなるから」
隣の席に座る直木が嫌そうな顔をしながら山ちゃんを見る
今、山ちゃん達は、自分達が通う高校の教室にいた
外は激しく照りつける太陽とセミの合唱が遠くから途切れることなく聞こえてくる
「直木……暑いし…帰ろうぜぇ…」
真夏の日差しは容赦なく山ちゃんと直木を照りつけていた
「あ、あぁ…」
直木も頬を伝うひとすじの汗を腕で軽く拭うと頷いて答える
風は吹くことを忘れたのか、朝から全く吹くことがなかった
「直木、帰りにコンビニよろうぜ?アイス食いてえよぉ…」
山ちゃんが急かすように帰り支度を始めた
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