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香奈が指す先にはある茂みがあった
「あそこは…俺がぁ…」
先ほどまでの光景が一気に思い起こされる
警察官に職務質問されて、突然香奈が現れて、そのまま広い公園を全力で走り抜けて
「クッソォォ……ッ!何で俺ばっかりこんな目にぃぃ……ッ」
山ちゃんは堅く握った拳を振るわせながら一人怒りに震えていた
「………………………バカ…」
隣で冷めた目線で山ちゃんを見ていた香奈が小さく呟いた
「俺は……俺はただ写真が撮りたかっただけなのにぃ……」
やり所のない怒りが、右手から地面へと叩きつけられる
「何言ってんの?アナタただ女の子を撮りたかっただけなんでしょ?」
香奈が怒りに打ちひしがれている山ちゃんに冷たく言い放った
「きッ!?君ィッ!!なに失礼な事を言ってるんだね!」
山ちゃんは慌てた様子で立ち上がった
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