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次の日、今日も容赦ない夏の陽射しが山ちゃんの肌を焼き付ける
山ちゃんは真剣な表情で、黙々とあの公園に向かって灼熱のアスファルトの上を歩いた
片手には小さな鞄をぶら下げている
途中、山ちゃんとあまり年の変わらない女の子達が、楽しそうに喋りながら歩いてきた
山ちゃんは顔色一つ変えず歩道の端に寄ると女の子達とすれ違う
すれ違う時、女の子達から甘い香りが漂うものの、蒸し返す熱気がそれをさらっていった
「……ふぅ…」
山ちゃんは公園の前に着くと、一旦立ち止まり、額の汗を腕で拭うと一息ついた
今日も相変わらず公園は大勢の人達で賑わっていた
公園の奥に見える砂浜も、夏と海を楽しむ人達の波が出来ていた
山ちゃんは公園を軽く見渡すと、昨日香奈がいた少し大きな木が生えた小高い丘を目指して歩き出した
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