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頂上が近づくにつれ、木の根本が見えてくる
しかし、そこには香奈の姿はなかった
山ちゃんは少し辺りを見回しながら、丘のてっぺんに生えている木へと近づく
山ちゃんは木の手前まで来たが、やはり香奈の姿を見つけられなかった
山ちゃんは黙ったまま、目の前に生える木を見上げた
大きな緑葉が淡紅色の花と一緒にユラユラと風になびいていた
淡紅色の花から漂う甘い香りと、緑葉が包む木陰が夏の熱気で火照った体を優しく冷やしてくれる
結局、香奈は現れそうにない為、山ちゃんは諦めて緑葉の木陰を後にしようとした
その時、海から吹く風が強くなり、丘を駆け上がると山ちゃんに向かって吹き荒れた
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