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「それ、俺も気になるぅッ♪」
直木がニヤニヤしながら近づいて山ちゃんの向かいのイスを引き寄せてドカッと座った
「なに、なにッ!何で二人して俺を見つめるのッ!?」
山ちゃんが困惑しながらキョロキョロと直木と遥を交互に見る
「……………………」
直木と遥は黙ったままジッと山ちゃんを凝視する
日頃、散々人を掻き乱すくせに、以外と自分の事を話さない山ちゃんは、直木達からしたら大いに興味の対象だった
「バカにするなよッ!俺だって恋の一つや二つぐらいしてるさッ!」
開き直った山ちゃんが胸を張りながら高々と声を上げた
「わぁー♪楽しみぃ♪」
遥が楽しそうに手を叩いた
「……そうだな、もう三年ぐらい前かな、俺達が中二の時の話かな…」
山ちゃんは静かにそう言うと、ゆっくり立ち上がりすぐ側の窓硝子を開けた
開けると同時に灼けるような暑い空気が一気に教室内に流れ込んでくるが、その後には、気持ちいいぐらい涼しい風が吹いた
「……彼女と初めて出会ったのも、こんな暑い夏の日だったんだ」
山ちゃんはそう言いながら、何処か遠くの空を見つめた
直木はそれが、何処を見ているのか分からなかったが、その横顔はどこか悲しそうに感じた
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