始まりは音沙汰無しで

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『だって~』 「だって何!?」 『今はミルハウス社の紅茶、全種類達成する方に力かけてるし!』 「はぁっ!?」 「色気より・・・食い気?」 『そーですけど何か!』 「・・・・開き直るなよ」 『まっ、どっちにしろ。あたしにはカンケーの無い話なんだよ』 恋愛・・・・・ねぇ そんなに楽しいもんか? ジュルルルっと勢いよく 最後の一口を飲んで たまごロールにかじりついた 「あんた!まだ食べるの!?」 『よゆーですから♪』 親指をたてて見せる 「太るよ?」 『いーもん別に』 「腹痛くなるよ?」 『トイレに直行する』 「そのたまごロール誰のお金か知ってるよ。あたし」 『ああっ空が青いなぁ・・・』 「奈都ーー!!!金返せー!」 こんなに友達と しゃべっていても 笑っていても たまごロールに かじりついていても ミルハウス社の紅茶を 飲んでいても なぜか物足りないんだ。何か このあたしの青春には。 何かが。 これに気付くのは少し、 先の話になるんだけど。
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