戦士の誇り

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  滑走路上に入り、離陸前の最終チェックを済まします。 「全系統異常なし―オールグリーン フラップ、ハーフ」 「こちらコントロール、大和4-3、クリアード フォー テイクオフ 幸運を(笑)」 「了解です(笑) 大和4-3、上がります!! 一丁やったりますか!」 もう一度気合いを入れ直して、スロットルレバーを100%へ押し込む。 より一層高くなるエンジン音、軽いショックと共に機体が加速していく。 私達の乗るイーグルは、最強の大鷲とまで言われただけあり、アフターバーナーを使わなくても、いとも簡単に必要な速度を稼ぎ出してくれます。 操縦桿を軽く手前にひく― それと同時にタイヤの走行音が消え、全身に浮遊感が込み上がり、機体が大地から飛びたったことを実感します。 太平洋に向けて飛ぶこと数分、前方に機影を確認… 胴体から高く伸びる一本の垂直尾翼、双発のエンジン、デルタ翼の主翼に入った日の丸のマーク―― 自衛隊のタイフーンですね。 「前に見えるタイフーンはアイツ?」 「そう……ね。追いついたわ」
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