17人が本棚に入れています
本棚に追加
滑走路上に入り、離陸前の最終チェックを済まします。
「全系統異常なし―オールグリーン
フラップ、ハーフ」
「こちらコントロール、大和4-3、クリアード フォー テイクオフ
幸運を(笑)」
「了解です(笑)
大和4-3、上がります!!
一丁やったりますか!」
もう一度気合いを入れ直して、スロットルレバーを100%へ押し込む。
より一層高くなるエンジン音、軽いショックと共に機体が加速していく。
私達の乗るイーグルは、最強の大鷲とまで言われただけあり、アフターバーナーを使わなくても、いとも簡単に必要な速度を稼ぎ出してくれます。
操縦桿を軽く手前にひく―
それと同時にタイヤの走行音が消え、全身に浮遊感が込み上がり、機体が大地から飛びたったことを実感します。
太平洋に向けて飛ぶこと数分、前方に機影を確認…
胴体から高く伸びる一本の垂直尾翼、双発のエンジン、デルタ翼の主翼に入った日の丸のマーク――
自衛隊のタイフーンですね。
「前に見えるタイフーンはアイツ?」
「そう……ね。追いついたわ」
最初のコメントを投稿しよう!