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―いってぇ!―
―はい、レンの負け!―
―レン、昨日はよくもおれのお菓子食べたな!ざまぁみろ!!―
―え、兄ちゃん、それ恨んでたの?大人気ないよ。―
―・・・バカ、まだ8歳だよ。―
顔と名前はやっぱり思い出せない。
きっと俺には、年の近い兄貴がいたんだろう。
我ながら生意気だったなぁ、、、。・・・死んでも思い出は生きてるって本当みたいだ。
カン、カンと木刀の音が響く。
「わっ」
カキン
レンの木刀は弾かれて宙を飛び、5mほど横の芝生に落ちた。
「はぁ、佐和さん強いなぁ。」
「お前の集中力が欠けてただけさ。かなり強くなったよ。」
「さて、そろそろやめとくか。アミに叱られるぞ。」
「あぁ。」
夕暮れ間近になった空を見て、レンはやっと仕事する気になったのだった。
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