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「オイ、拓海」
今まさに、二階の自室へと向かうために階段の一段目に足をかけたその瞬間、俺は後ろの男に呼び止められた。
「何か用?親父」
俺は振り返り、男の顔を見た。
俺とは違い、少々細身の父親、川添大貴である。大貴は俺の目の前に一枚の紙を広げ満面の笑みでこっちを見ている。
「川添拓海君、君は神楽坂魔法学園への入学が決定しました~!」
「……は?」
親父殿もついにボケたか。
そんなことを考えていると、例の親父殿は広げていた紙を俺に突きつけた。
その紙を受け取り、読んでみた。
──────────────
川添拓海様、貴方の本校、神楽坂魔法学園への推薦入学試験参加が決定しました。
詳細についてはまた後日お送りいたします。
神楽坂魔法学園理事長 仙崎修介
──────────────
それを読んで、しばらくの間固まった。
そして、沈黙が訪れる。
親父殿は相変わらず笑ってはいるが…。
「俺、こんなとこ受けた覚えないんだけど…」
「勝手に履歴送った」
「……そうか」
俺の右ストレートが見事に親父の顔面にめり込む。
「ギャアアアアアア!」
「なに勝手なことしてんだぁ!」
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