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「ではこの学校以外で魔術師と会ったことは?」
考えるまでもない。
柴崎要という魔術師と会っている。
「はい、前に一度道端でそこのかな……柴崎さんに会いました」
校長は要さんを見た。
「初耳だが?」
要さんはそっぽを向いている。
「反応ありません」
「……なるほど。川添君、足労を煩わせたな。
──4月4日が入学式だ。くれぐれも遅れないように」
あれ? 今さらりと凄いこと言わなかった?
俺が戸惑っていると、要さんが耳打ちしてきた。
「おめでとさん。合格だとよ」
マジで?
樹海に行かなくていい?
「とりあえず、外にでるぞ」
要さんが固まっている俺を引きずる。
そこで、俺の頭が動き出した。
「あ……ありがとうございます!」
すると、校長は優しく微笑んだ。
俺は引きずられて玄関に戻ってきた。
そこには、結城が座っていた。
「早かったな。何の話だったんだ?」
俺は親指を立てていった。
「俺、合格した!」
質問と答えが噛み合っていないが、それを言うのが限界だった。
「やったじゃねぇか!
よし来い! メシ奢ってやる!」
こいつ、かなりいい奴だ。
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