第三章─入学式とモテる奴ら─

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ついに来た。 入学式である。 ちなみに俺と結城は同じクラス。 担任はやはり要さん なんだか作為的なものを感じる。 入学式は当たり前のように体育館で行われる。 俺は出席番号5番で、結城は14番だ。 今は体育館の外で待機中。 体育館の中は、二年生と三年生が立って先生の話を聞いている。 俺は滅茶苦茶緊張していた。 ガクブルである。 『それでは、新入生入場!』 その声が聞こえ、要さんが「ついてこい」とドアを開けはなった。 体育館に入った瞬間、凄い歓声がなぜか要さんに向けられた。 『きゃー、柴崎先せー!』 『こっち向いてー!』 などの声が飛び通っている。 主役が要さんになってるんだが。 要さんも手なんか振ってるし。 新入生は完全に脇役である。 俺はため息をつき、自分の席に着いた。 一年生の席は、二三年生の前にあり、ステージが正面にある。 『では、教頭先生お願いします』 ステージの上に、一目でわかるヅラをかぶったおっさんが立った。 「え~、本日は天気に恵まれ、まるで新入生のみなさんのように晴れ渡っています。……………」 勿論、こんな話聞く気にもならない。 後ろからは、「あの子かっこよくない?」などの声が聞こえる。
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