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「そのために必死で勉強したが、魔術の素質がないって言われて試験に落ちたんだ。
その時にその夢は諦めた。実際、私は普通のサラリーマンだ」
俺が知りたいのはそんなことではないためイライラし始めた。
「拓海は南高を志望していただろ?」
俺は小さく頷いた。
「お前の点数じゃ奇跡でも起こらない限り受かるのは不可能だと言われたよ。
そしてその時にこの学校のことを聞いたんだ」
親父は神楽坂魔法学園からの手紙を持って言った。
「神楽坂魔法学園は、前期試験は競争率が高いが、内容は面接だけだと。
試しに履歴だけでも送ってみないかと勧められた」
「理由はそれだけじゃないんだろ?」
「……その通りだ。私の夢を…お前に叶えてほしくなった」
その言葉を聞いた俺はお袋を見て言った。
「お袋と飛鳥も知っていたのか?」
「私は知っていたけど、飛鳥には何も言っていないわ」
飛鳥は眠たそうに目をこすっていた。
しかし、今の俺にはそんなことはどうでもいい。
気がつけば怒鳴っていた。
「俺の影で俺のことを勝手に決めてんじゃねぇよ!
親父の夢を俺に押しつけるな!俺のことは俺が決める!こんな学校、俺は絶対にいかねぇぞ!」
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