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そう怒鳴り散らして、いすが倒れるほど勢いよく机を叩いて立ち上がり、玄関へ向かった。
「待ちなさい!こんな時間にどこに行くの!?。」
俺は乱暴にドアを開き、叫んだお袋に見向きもせずに一言だけ言いはなった。
「知るか!」
ドアを勢いよく閉め、外へと出た。
季節は、まだ寒さが残る冬終盤。ブルッと少し身震いした。
そして、早足である場所を目指す。
こういうイライラしているときに決まっていく、近所の公園である。
「…………」
無言でしばらく歩いていると、前から誰かが走ってきた。
俺はそんなことには目もくれずに、早足で歩き続けた。
タッタッタッ……ドスッ
走ってきた男は、俺とすれ違いざまに、俺に包丁を突き刺した。
「ッ……」
俺は地面に倒れ込んだ。
男は倒れている俺のポケットから財布をとりだした。
通り魔か!?
俺は立ち上がろうともがくが、力が入らない。
通り魔は俺に止めを刺そうと俺の腕を押さえ、包丁を振りあげる。
ああ、これ死んだな。
そう思い、俺は目を閉じた。
「そこまでだ」
その声と同時に、押さえつけられていた右腕が自由になった。
俺は驚いて目を開く。
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