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「あぁ、そうそう!父さん、逝く時といえば遺産の件!」 お母さんは思い出したようにお爺さんに言った。 「弁護士さんの所に行ってきましたよ。それでね、分配の比率なんだけど…」 その瞬間、信久はすこし怒ったような顔をして 「今日、メシいらねーからッ!!」 そう言って、二階の自分の部屋へ駆け上がっていった。 「反抗期か何だか知らないけど、まったく、あの子ったら」 お母さんが、呆れたように言うと、居間からお父さんの声がした。 「おい、お前。なにも、お義父さんにそんな話を……」 お父さんが、新聞を片手に焦りながら言った。 「あなた…。父さんにしなきゃ誰にするのよ。今はまだ父さんのものなのよ!?」 「おいっ!お前…ッ」 お父さんが声を荒げた瞬間 「そうじゃよ。ワシの事なんだから、ワシが聞かんでどうする」 お爺さんは二人を止めるように言った。
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