7/7
前へ
/27ページ
次へ
シロは思う。 …………僕が…… 人間の言葉を…喋れればよかったのに… そうすれば… みんなが、お爺さんのコトを、どう思っているか… みんなが…どれだけお爺さんのコトが、好きなのか… どれだけ僕が、お爺さんのコトが、好きなのか… 教えて……あげられたのに…… 伝えて……あげられたのに…… その時、風が吹いた。 シロにとっては少し肌寒く、悲しい風が。 「いい…風じゃな………」 お爺さんはそう言った。 冬が始める少し前に… お爺さんは亡くなった。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加