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その時、公園の方から少年を呼ぶ声がした。 「あっ、呼んでる!もう行かなきゃ、お爺さんまたね~」 少年は、手を振りながら、駆け足で公園へ向かっていった。 「ああ、またね」 お爺さんはそう言って、また歩き始めた。 公園を通り過ぎ、しばらく歩くと、丘の麓にある高校が見えてきた。 高校のすぐ脇にある登り坂をしばらく歩くと、だんだんと桜の木が見えてくる。 そして、坂を上りきったお爺さんの目の前には、大きな桜の木があり、そのまわりには、色とりどりの花々や青々とした草木が広がっていた。 その光景は、春と呼ぶにふさわしいほど、美しかった。
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