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来てすぐに その男は呆れたような声で言った。
「おい、ジュン。何しよるとや? こんな昼間にそんなもん出して。お前ヒネに通報されたら一発で捕まるぞ」
助かった。
少しはまともな奴がきてくれた。
とにかく俺につきつけてる刃物をどけてくれ。
しかしジュンは俺に刃物をつけたまま、こうなった成り行きを角刈りの男に説明した。
話を聞いた角刈りの男が俺に向かって喋りだした。
「兄ちゃん、なんでそんなこと言ったん? こいつはアホやけんこんなことになっとるけど、さすがにそげん舐められたら俺でもキレるばい?」
俺を睨みながら角刈りの男はしゃがみこみ、続けた。
「お前、A会知らんのか?」
ここで知っていると答えたら 知っていて舐めた口を聞いたことになる。
俺は
「すんません、知りません」
と 嘘をついた。
すかさずジュンがキレた口調で言った。
「A会知らんって…お前ホント舐めとるやろ!!」
刃物はまだ首につきつけられている。
「いいからジュン。まずお前ナイフしまえ。 俺まで捕まるやろ」
角刈りの男がまた呆れたように言った。
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